会頭挨拶

日本研究皮膚科学会 第46回年次学術大会・総会
会頭 天谷雅行
慶應義塾大学医学部皮膚科学 教授

第46回日本研究皮膚科学会学術大会を2021年12月3日-5日に開催させていただきます。国立京都国際会館をメイン会場としたハイブリッド形式を念頭に準備を進めて参りましたが、COVID-19デルタ変異株の急拡大もあり、感染症終息が見えない中、会員、大会関係者の皆様の安全を第一に考え、完全WEB開催とすることにいたしました。記念講演、シンポジウム、並びにプレナリー、コンカレントセッションにおける発表者、講演者、座長の方々はリモートアクセスをしていただき、オンラインにて開催いたします。できるだけ多くのセッションをライブで行い、録画したものを、会期中、会期後のある一定期間アクセス可能といたします。

今回の学会のテーマは「FUSION」です。科学の進歩は早く、ひとつの専門領域をマスターするだけでも、相当な時間と労力が必要です。領域が専門化されればされるほど、領域間の隙間が生まれ、そこに隠された宝が眠っています。第46回日本研究皮膚科学会学術大会を通して、異なった専門家が出会い、情報交換をして、融合(FUSION)することにより、新しい研究テーマが生まれ、新しい領域が創出され、産学連携が促進され、研究皮膚科学の発展に貢献できることを期待しています。

日本研究皮膚科学会学術大会は、全てのサイエンティフィック・プログラムだけでなく、会期中のすべてのイベントにおいて、使用する言語は英語です。日本研究皮膚科学会は日本の学会ではありますが、年次学術大会・総会は、世界に広く開かれた学術集会であり、アジア、北米、欧州をはじめ、世界中からの多くの皮膚科領域の研究者にご参加いただいくことを期待しています。

日本研究皮膚科学会学術大会は、米国のSociety for Investigative Dermatology、欧州のEuropean Society for Dermatological Researchの年次大会とともに、世界の研究皮膚科学領域の3大国際学会と言える規模です。2023年には、東京にて世界の皮膚研究者が一堂に集まる国際研究皮膚科学会 International Society of Investigative Dermatology (ISID)が開催予定です。

今年の谷奥喜平記念講演では、スタンフォード大学医学部皮膚科のHoward Y. Chang博士が講演されます。同博士は、米国National Academy of Medicine, およびNational Academy of Scienceの2つのアカデミー会員となった史上二人目の皮膚科医です。10人以上の世界のトップサイエンティストによる講演を集めたWorld Showcase of Investigative Dermatologyを、オンデマンドで会期中、会期後も一定期間聴講することができます。また、皮膚の研究において、世界で活躍されている日本人研究者にご講演いただくシンポジウムに加え、JDSシンポジウムやJSID-Asia-Oceania-Forumも例年通り開催いたします。

皆様と、オンラインでお会いできるのを楽しみにしております。第46回日本研究皮膚科学会学術大会が、皆様にとって有意義な時間を提供できる場となるべく、高橋勇人事務局長、川崎洋実行委員長を始め、慶應義塾大学医学部皮膚科学教室関係者一同、精一杯準備させていただきます。皆様のご助力を賜れば幸いです。どうぞよろしくお願い申し上げます。